今回は、わが家のしっぽ家族を日本からアメリカへ移動させた時の体験談です。
わたし達の最初のPCSは、日本からアメリカへ。
当時、うちには1匹ずつのワンにゃんが居ました。(当時オンベースで飼えるペットは2匹まで)
この子達は、日本とアメリカを往復、アメリカ横断までした旅の達人たちです。
今、思い起こせば軍用機を利用できたせいか、日本⇨アメリカへのペット移動は そんなに難しくはありませんでした。逆にアメリカ⇨日本の方が準備・手続きが大変でした。
しっぽ家族も一緒に連れて行きたい/嘉手納基地からアメリカへ
診察記録を基地内の動物病院へ
初めてのPCSがアメリカへ決まって、まずした事は、当時のうちの子達は基地外(オフベース)の動物病院を利用していたので、予防接種の記録をオンベースの動物病院へ移す事。
基地内(オンベース)の動物病院の方が予防接種等の料金は安かったのですが、うちの子達は小さい時からオフべの先生に診察してもらっていて、2匹ともこの先生が大好きだったので引続き利用していました。オンベの動物病院へは、オンベに引っ越した時に、登録とマイクロチップを入れに1度利用しています。
オフベースの動物病院から、今まで受けた全ての狂犬病&予防接種記録の英語版を発行してもらい、オンベースの動物病院の診察予約を取って、持参。
この時点でのオンベースでの診察結果に問題はなかったので、次は移動前10日以内に最後の検診をするように指示がありました。
出発の2日前に最終検査をし、書類・カルテを貰いました。このカルテは、次の赴任地・オンベースの動物病院へ提出します。
ペットを飛行機へ載せるための準備
⇩書類の写真は、当時ペットを移動するために軍(カデナAB)から渡された書類の一部です。
下記に必要な部分を抜粋してみました。(赤線の部分)
Your pet has to have a current rabies vaccination. In order to be current, this rabies vaccination has to have been given within the last 12month.
ペットは狂犬病の予防接種を受けている必要があります。過去12か月以内に接種されている必要があります。
Your pet has to have a health certificate for travel(DD Form 2209). The health certificate can be obtained through the veterinary clinic on Kadena AB and is good for 10 days from the date of issue.
ペットはトラベル用の健康証明書(DD Form 2209)を持っている必要があります。健康証明書は嘉手納基地の動物病院から取得できます。有効期限は発行日から10日間です。
You will need to make five copies of your pet’s rabies certificate, five copies of your pet’s health certificate, and five copies of your orders.
ペットの狂犬病証明書のコピーを5部、健康証明書のコピーを5部、オーダーのコピーを5部、準備する必要があります。(検査官が必要な時に取り出せるように、この書類はジップロックに入れて、ケンネルの上部に張り付けておくように指示がありました。)
Do not feed your pet within six hours of travel. Water should be placed in the kennel either in a water bottle or a dish.
6時間以内は餌を与えないでください。水はボトルかお皿にいれて、ケンネルに入れて下さい。
Place absorbent material in the bottom of the kennel such as towels, a blanket, pet’s pillow, etc. Avoid leaving toys in the kennel in order to prevent ingestion or choking.
タオルやブランケットなどの吸水性のある素材をケンネルの底に敷いて下さい。誤飲や窒息を防ぐために、おもちゃは入れないで下さい。
軍用機のカーゴスペースの予約
わたし達の場合は軍用機での移動が決まっていたので、旦那ミリオがペット用のカーゴ(貨物)スペースの予約を入れていました。(ペット用のカーゴスペースは数に限りがあるそうです。スペースが埋まってしまっている場合は、自費で日本から民間航空会社を利用し輸送することになるそうなので、移動が決まったら早めに予約をいれましょう。)
民間の空港を利用する場合は、動物検疫所において出国前に検査及び輸出検疫証明書の交付を受けなければいけないそうです。参照サイト:動物検疫所/犬猫を輸出するには
軍用機でアメリカ入りした後のペットの航空運賃は自費になります。(軍用機での移動は無料でした)
現在は、ペットの軍用機での移動も費用がでるようです⇩。(軍用機 AMC のWebサイトより)
Webサイトによると、上記画像の赤線の部分で、
Movement expenses must be paid by the owner.(移動費用は所有者の負担となります。)とあります。そして、赤いろ四角枠のペット輸送ガイドラインの中にも記載があります。⇩四角枠の中を訳してみました。
・Pet movement is limited to passengers in PCS status only.
(ペットの移動は、PCS ステータスの乗客のみに限定されます。)
・Pet space is very limited on AMC Patriot Express flights.
(AMC パトリオット エクスプレスのフライトでは、ペットのスペースは非常に限られています。)
・Pet spaces are booked on a first come, first served basis.
(ペットスペースの予約は先着順となります。)
・To book pet spaces, contact your local Traffic Management Office/Installation Transportation Office as early as possible.(スペースを予約するには、できるだけ早くTraffic Management Office/Installation Transportation Officeにご連絡ください。)
・Orders are not required at time of booking.
(予約時にオーダーは必要ありません)
・Reservation limits: Two pets per family.
(予約制限:1家族につき2匹まで。)
・Pets must be accompanied by their owner and transported at owner’s expense.
(ペットは飼い主が同伴し、飼い主の費用で輸送する必要があります。)
【追記】ペット移動費用の償還
2024年からペットの移送費(1匹まで)を軍が償還してくれるそうです。
アメリカ国内/上限550ドル
アメリカ国外/上限2,000ドル
最初に自費で出す必要があるそうですが、申請すれば償還してくれるそうなので、申請を忘れずに!
アメリカ国内・民間の航空機へ
上限がありますが、軍よりぺっと旅費の償還あり
※ペットの移動費は軍は出してくれないので自費になります。(中型犬と猫の2匹で、最初のPCSでは航空費だけで合計600ドル位、2回目の日本からのPCS時は、約800ドル。年々高くなっていました。⇦ペットホテル代等は含んでいません)
追記)ペット費用がカバーされるかもしれない。という情報を頂きました。現実になると嬉しいですね。確実な情報のWEBページを確認できたら、こちらでもお知らせしますね。/2024年1月1日より償還ありになりました!
そして、日本・アメリカ問わず ペットと一緒に泊まれる基地内のロッジ/ホテルも限りがあるので早めに予約しておく方がいいです。わたし達は日本でアメリカ行きのPCSの日程が決まった時点で、予約を入れておきました。
わたし達が滞在した、ペットと一緒に滞在できるアメリカの基地のロッジは、どこも1戸建てのハウジングタイプでとても快適に過ごせましたよ。
予約する際は、狂犬病などのワクチン接種の証明書をEメールで添付する必要があり、チェックインする際に原本の提示を求められたので、すぐに出せるように携帯しておくことをお勧めします。
わたし達は、赴任地の目的地に着く前に3日間ほど旦那の実家に寄る予定だったので、軍用機でアメリカ/シアトル入りした後はペットの分は自費で航空費(アメリカンエアライン使用)を出して旦那実家まで移動、陸路横断で次の赴任地まで移動しました。
アメリカに入ってからの移動は、航空費・ホテル・レンタカーなどミリタリーディスカウントが使えるので、予約の際に聞いてみる事をお勧めします。
沖縄から軍用機で出発した後は、追加の乗客を乗せるために横田基地に寄りました。乗客とペット達は1度飛行機から降ろされ、追加の乗客の荷物を飛行機に積んでいる間に、ペットに水を上げたり、トイレに出したりする事ができました。
少々時間はかかったものの、シアトルの空港では、普通に荷物が出てくるコンベアベルトから出てきましたよ。
移動用のケンネル(クレート)の中は指示があったように、ペットシートをズレないように両面テープで貼り付け、その上にタオルを敷いておきました。(受取った時に、タオルはズレていましたが、ペットシートの上にお〇っこしていたので、結果OK。)
飲み水は、ボトルは取り外されてしまったので、扉に取付ける受け皿に入れた水を凍らせて設置しました。どれくらいの時間で溶けたかは分からないけど、少しはペロペロできたかなと思います。水だと飛行機が揺れたら一瞬でなくなると思ったので。
そして、軍から渡されていた資料のとおりに、数回分の餌とオーダー等の書類をジップロックバックに入れて、クレートの上にパッキングテープで張り付けておきました。
ジップロックバックは貼り付ける際に、誰か一人がバックの中に握りこぶしを入れてスペースを作り、もう一人がテープで貼り付けてください。わたし達は初め、スペースを作らずに貼り付けたら、中の書類が取り出しにくい事に気づき、貼りなおしました。
こんな感じで、無事に日本からアメリカにペットを移動する事ができましたよ。
次の赴任地に到着したら、早めに基地内の動物病院へカルテの提出&診察をしてもらいました。
飛行機での長距離移動は心配だったけど、うちの子たちは、すぐに動き回れるぐらい元気でした。
動物の移動/三沢基地からアメリカへ
2回目の日本からの移動の時も、軍用機で三沢出発、アラスカの基地に寄ったあと(この時はペットに会うことはできませんでした)、シアトルで税関を通過・民間機に乗り換えました(この時にペットを受取り、民間機にチェックイン。飛行機の出発まで時間があったので、チェックインカウンターのスタッフに確認後、犬はトイレにつれ出すことができました。うちの子は、この時にう〇ちもしたので、念のため う〇ち袋を携帯していてよかったです。(;^_^A)
⇩はミサワABから渡された書類です。
All pets traveling with you in its carrier (pet(s) must remain in the carier while insede the AMC carrier)
全てのペットはキャリアに入れている必要があります。
6 copies of the health certificate (Stamped within 10 days of travel)
健康証明書のコピー6部(10日以内の承認)
6 copies of the current Rabies vaccination
有効な狂犬病予防接種・証明書のコピー6部
3 copies of the sponsor’s orders
スポンサーのオーダーのコピー3部
All paper work must be in a zip top bag taped to the outside of the carrier with the top accessible for any reason.
すべての書類は、キャリアの外側にテープで留められたジッパー付き袋に入れて、理由を問わずアクセスできるようにする必要があります。
Your pet may be expedited through customs (in Seattle) If you hand carry an extra copy of your pets travel documents. The Seattle AMC will ask the flight Attendant to collect one copy of your forms prior to landing at the airport. All documents will be returned after your pet(s) clears customs.
予備のコピーを持っていると、(シアトルの)税関を迅速に通過できる場合があります。シアトルAMCは、空港に到着する前に客室乗務員に書類のコピーを集めるように求めます。ペットが税関を通過した後に、すべての書類は返却されます。
猫アレルギーありますか?
余談になりますが、わたし達の周りには数人猫アレルギーの人達がいます。猫アレルギーがあるけれど、猫が大好きでアレルギーの薬服用で猫を飼っている人もいれば、毛長の猫にのみ反応する人、猫が傍に居なくても、猫の毛が服に付いている人と接触するだけで反応が出てしまう人とアレルギーの度合いも様々。
当時、旦那の趣味友の1人に重度の猫アレルギーの人がいて、気管支が腫れて呼吸が困難になる人がいました。なので、いつも彼に会うときは気を付けていましたし、うちには猫がいるので、彼は絶対に我が家には入りませんでした。
彼と話していて、飛行機でのペットの移動の話しになり「機内に猫がいないか、いつもドキドキするんだよ。」との彼の話を聞いて、ハッとしました。
実は、当時のわたしは、「ペットを貨物室で移動させるのは可哀そうだな。猫は小型だから、出来れば客室でもいいのにな。」と思っていたんです。
でも、彼の話を聞いて、重度の猫アレルギーの人にとっは生死にかかわる問題になるかもしれないと気づき、配慮が足りない考えだったなと反省した次第です。
旦那ミリオも私も、2人とも食物アレルギーがあるので常にエピペンを持ち歩いています。食べる物は自分で注意して避ける事は簡単だけれど、彼のように他人が持込んだ猫を避ける事は簡単にできない場合もあるかもしれないかもと思うと、もっと配慮しなければと反省。
しっぽ家族も大切な家族の一員なので、快適な旅をさせてあげたいとも思うけど、アレルギーのある乗客の事も考えると、うちの子たちは、いつかプライベートジェットに乗れる?!日がくるまでは、貨物室での移動だな~。
いまだにプライベートジェットには乗れてませーん。
まとめ
PCSで日本からアメリカへ動物を移動させることについて、少しはイメージ出来たでしょうか。
私たちは、日本の米軍基地内からの出発だったので、日本の政府に動物の輸出に関する手続きはする必要がありませんでしたが、民間の飛行機を利用する場合は、追加での手続きも発生するので、PCSが決まったら早めに準備を始めた方がいいと思います。
PCSは、本当に人もペットもストレスの多い移動だけど、みんなが少しでも快適に移動できたらいいなと思います。ではでは、素敵なミリライフを~。Funday – Miliday!