PCS以外にもスペースA（軍用旅客機）を使って旅行が出来るって聞いたけど、本当？
使ってみたいけど利用方法がよくわからなくて、と悩んでいませんか。
軍人とその家族は、軍用旅客機を利用して割引価格、または無料で世界中を移動が可能です。
利用するには条件があるので、いつも100％利用できるとは限りませんが、検討してみる価値はあると思います。
今回は、このUSミリタリーの軍用旅客機の利用方法や注意事項などについて、説明します。
軍用旅客機
USミリタリーの軍用旅客機には、いくつか呼び名があり、あなたも聞いたことがあるかもしれません。
それは、Space-A（スペースA）または MAC flights （マックフライト）。ごく少数ですが、 Military hops（ミリタリーホップ）と呼ぶ人もいます。軍人の間では、Rotator（ローテーター）や Freedom Bird（フリーダムバード）と呼ぶ人が多いと旦那が言っていました。
Space-A と MAC flights の違い
わたしが結婚したばかりの頃、画像のようにミリ妻先輩から「民間機と同じ座席スタイルがスペースAで、カーゴ型をマックフライトと言うのよ」と聞いていたので、ずっとそうだと思っていました。
そして、今回この記事を書くにあたり、確認してみようと 色いろググってみたら、違いを明確に説明している記事を見つけることができませんでした。
そういえば！身近に軍人がいるんだから聞いてみようと思って、旦那ミリオに聞いてみたら
ミリオマックフライトって聞いたことないけど。
とのビックリ返事が！
わたし達はいつも「スペースA」で会話していたので気づきませんでした。。。(^^;
ここで、わたしの知りたがり虫が動き出し、旦那ミリオにも職場の人に聞いてもらったり、色々リサーチを開始しました。
旦那ミリオの職場の軍人達も、殆どがマックフライトは聞いたことがないと言っていたそうです。上記画像の客室型もカーゴ型もどちらも「スペースA」との認識できた。
そして、ミリオの職場の１人の年配リタイア軍人の方から貴重なヒントをいただきました。
退役さんそういえば、昔、Military Airlift Command が運営してた時はマックフライトって言ってたな。
そこで、調べてみました。
軍用旅客機の歴史
軍用旅客機を運行していた Military Airlift Command (略称：MAC) は、1942年に Air Transport Command (略称：ATC) として始まり、USAF（USエアフォース）の後継組織として1948年にMilitary Air Transport Service (略称：MATS) に再指定されました。
そして、現在は1992年に設立された Air Mobility Command (略称：AMC) が使命を継続しています。
参照元：Military Airlift Command Patch
昔は、Military Airlift Command (略称：MAC) というコマンドが運行していたので、MACフライトの名称で呼ばれていた名残が今も残って使われているようです。
現在は、Air Mobility Command (略称：AMC)が運行していて、旅客型もカーゴ型も「スペースA」との事でした。
なぜ「スペースA」なのか
「スペース A」フライトは、「Space Available（空きスペース）」フライトとも呼ばれ、空席があれば、軍関係者とその家族が先着順で利用できるフライトだからだそうです。
AMCは下記のWebサイトを持っていて、フライト情報などを確認することが出来ます。
AMC / Air Mobility Command
わたし達は日本からアメリカへのPCSしたときに、ペットも一緒に軍用機を利用しました。
利用するための基本情報
スペースA は民間機のような商業飛行ではなく、軍事事項を優先する飛行機です。 つまり、軍属・家族が旅行で使うには、一定の制限があります。
対象となるのは軍人、退役軍人とその家族のみ。 特定の資格がある場合にのみ、現役スポンサーのいない予備役、州兵、およびその家族が許可されます。
下記のブランチ
Army、 Marine Corps、 Navy、 Air Force、 Space Force、 National Guard,、 Reserves と、
軍人・軍属（AD、 Retiree / Veteran、 Service Member、 Spouse、 Survivor）が利用可能です。
通常、航空運賃は無料または格安で利用できます。詳しい情報は、利用する予定のAMCのターミナルで確認してください。ほとんどのターミナルには Webサイト および Facebook ページがあり、72 時間のフライトスケジュールを含むフライト情報が投稿されています。
利用資格
Space-A にサインアップすると、フライトの優先順位を決定するカテゴリーに分類されます。
以下は、対象となる個人とカテゴリーのリストです。 空席のあるカテゴリーの番号順は、誰が最初に飛行機に搭乗できるかを示します。 番号の小さいカテゴリーの人達が優先されます。
サインアップすると、ステータス (たとえば、現役軍人、国防総省教師など他) と状況 (たとえば、緊急休暇、通常休暇など) 2 つの基準の組み合わせに基づいて、下の 6 つのカテゴリのいずれかに分類されます。
AMCのWebページでは、⇩画像の赤まる部分をクリックするとカテゴリーの詳細が確認できます。
カテゴリー 1 – Emergency leave travel
DoDI 1327.06 および兵役規則によって定められた、近親者の重篤な病気、死亡、などの緊急事態で Emergency leave を取得した 現役軍人とその家族。
カテゴリー 2 – Accompanied Environmental & Morale Leave (EML)
EML の現役軍人スポンサーと、その同行する家族。
学年度休暇や休暇期間中、Department of Defense Dependents Schools (DoDDS / 学校) の教師とその同伴家族が EML ステータスにあります。
カテゴリー 3 – Ordinary Leave, House Hunting TDY
休暇中の現役軍人。
TDYオーダー先での家探しのための軍人。（家族１名同伴可）
PCSの軍人とその家族
カテゴリー 4: Unaccompanied EML
EMLオーダーがある家族で、同伴者のいない家族（18歳以上）。 18 歳未満の家族は、成人の家族の同伴が必要です。
夏休み中にEMLステータスにある DoDDS の教師または家族（同伴者または同伴者なし）
カテゴリー 5 – PERMISSIVE TDY (NON-HOUSE HUNTING), STUDENTS, DEPENDENTS, POST DEPLOYMENT/MOBILIZATION RESPITE ABSENCE & OTHERS
スポンサーがアラスカまたはハワイに駐在している学生
スポンサーが海外に駐在している場合にINCONUSに入学する生徒
TDYオーダーで移動する軍人（家探しはなし）
カテゴリー 6 – RETIRED, DEPENDENTS, RESERVE, ROTC, NUPOC, CEC, VETERANS WITH A PERMANENT SERVICE-CONNECTED DISABILITY RATED AS TOTAL, AND SURVIVING SPOUSES OF SERVICE MEMBERS WHO DIED IN ACTIVE DUTY, INACTIVE DUTY TRAINING, OR ANNUAL TRAINING STATUS A
カテゴリー名称がめちゃめちゃ長いですが、要は、退役軍人とその家族がこのカテゴリーになります。
カテゴリー 6 – 退役軍人、その家族、予備兵、ROTC、NUPOC、CEC、VA100％を有する退役軍人、および現役、非現役訓練中、または年次訓練ステータス A で死亡した軍人の生存配偶者
DD Form 2 が発行され、退役軍人または兵役手当を受け取る資格のある退役軍人およびその家族、家族は ID カードを持ち、退役軍人と一緒に旅行する場合にのみ資格があります。
100%障害と評価されたVA等級を持つ退役軍人およびその扶養家族。 扶養家族にはスポンサーの同伴が必要で、旅行は CONUS 内、または CONUS とアラスカ、ハワイ、または米国領土の間が利用可能。
現役または訓練中に死亡した軍人とその生存配偶者。 生存配偶者が同伴する場合、その家族も同伴可。
利用方法
スケジュールの確認方法
今回は、カデナ基地ターミナルのスケジュールを確認したいと思います。
AMCのトラベルサイトにアクセスします。ページが開くと、一番下の方の⇩画像赤線部分の「PASSENGER TERMINAL DIRECTORY」項目までスクロールして下さい。
①のプルダウン項目を開いたら、項目の中から 赤まる②のカデナ基地の「＋」記号をクリックしてターミナル情報のページを開きます。※このページから、岩国、三沢、厚木、横田のターミナル情報へもアクセスできます。
赤まる部分の項目をクリックしてカデナ基地ターミナルのWebページへアクセスしましょう。
連絡先のEメール情報などもここに記載されています。
Webページにアクセスしたら、⇩画像のように左側に「72時間スケジュール」が表示されるまで下にスクロールします。（※各Webサイトによって場所が変わります。）「72時間スケジュール」をクリックすると PDF ファイルが開きます。
①ターミナル職員がフライトを許可された乗客の名前を読み上げる時間です。
②飛行機が向かう空港（⇩のようにチェックイン時間など注意事項が記載されることもあります）
③利用可能な座席の数です。
「F」- ほぼ確定、「T」- 暫定、「TBD」-未定、「SP」- 座席保留中、
例）「0T」は座席数 0 を意味し、「10F」は確定座席 10 を意味します。参照元：Seats
30日間のフライトスケジュールの見方は、日付と目的地だけなので簡単です。
※座席数は記載されません。フライトの72時間前までは知らされず、公表されません。
Facebookでスケジュール確認
各ターミナルのFacebook
Space Available Flight: Gateways
スマホでは⇩画像の赤まるの「Story Continues」をタップして全リストを表示してください！
Webページが開いたら、あなたが利用するAMCターミナルの名前をクリックします。
今回は、「Kadena AB, Okinawa, Japan」を選択。すると⇩のカデナターミナルの Facebook ページが開き、スケジュールを確認することが出来ます。
サインアップ方法
利用するAMCのターミナルで直接、または AMCのオンラインフォーム 経由でサインアップ 出来ます。（ページが開いたら、下へスクロールして下さい）
必要なサインアップ情報:
- Email address （メールアドレス）
- Rank/Grade（ランク/グレード）
- First Middle Last Name（名前：ファースト、ミドル、ラストの順番で）
- Service branch（所属軍）
- Military status（ステイタス）
- Name(s) of dependent travelers（同伴者の名前）
- Total seats required（必要な座席数）
- Travel eligibility status （カテゴリーステイタスを証明するもの）
- Leave dates（休暇日）
- Overseas travel-ready status（オーバーシー渡航ステイタス）
- Destination(s) (Sign up for up to five destinations)（目的地（最大５つまでサインアップ可）
順番待ち
優先順位はサインアップした日に基づいているため、リストに長くいるほど、リストの上位になるそうです。 (有効期限はほとんどの場所では最大 60 日、一部の海軍の場所では 45 日以内)。 ADメンバーは休暇中になるまで、Space-A に申し込むことは出来ないそうです。
空席がでると、高い優先順位から飛行機に乗れます。
そして、AMCサイトには下記の記載があり、利用予定者は、搭乗する意思がある事をマークしてもらう必要があるので、注意してくださいね。
Passengers may see a passenger service agent at the check-in or customer service counter to be marked present for their flight up to 24 hours prior to their flight’s scheduled roll call. You must be marked present to be included in the roll call.
乗客は、フライトの Roll Call の 24 時間前までに、チェックインまたはカスタマー サービス カウンターで受付担当者にフライトへの出席をマークしてもらうことができます。 Roll Call に参加するには、出席マークを付ける必要があります。
Space-A seats are normally identified as early as 3-4 hours and as late as 30 minutes prior to departure. スペース A の座席は通常、出発の早ければ 3 ～ 4 時間前、遅くても 30 分前には特定されます。
希望するフライトの日が近づいたら、「ROLL CALL」時間が変更されていないかを常に確認しましょう。
手荷物許容量 / 超過手荷物料金
AMC の手荷物に関する情報ページ Space A-Baggage and Prohibited Items によると、
各乗客は、それぞれ 70 ポンド、サイズ 62 直線インチまでの荷物を 2 つ預けることができます。（ 家族は荷物許容量を合算することができます。）
機内持ち込み手荷物は、座席の下、または利用可能な場合は頭上の収納部に収まる必要があります。
標準規格の B-4 ダッフル バッグの重さは 100 ポンドと認められていますが、それでも 1 個とみなされます。
そして、下記の注意事項もありました。
注: 最近、多くの民間航空会社が荷物重量許容量を 70 ポンドから 50 ポンドに変更 しました。 旅行計画に不都合や遅延が生じないよう、乗り継ぎ航空会社に確認し、手荷物制限を事前に確認して計画を立てることをお勧めします。
入国審査リスト
目的地が海外の場合は、入国に必要な条件も事前に確認しておいてくださいね！
AMC サイトの質問＆回答のページで、各国の入国審査に必要なリストをみることが出来ます。
（※念のため、目的地の国の大使館ページなどでもダブルチェックしてください）
Webサイトが開いたら、下記画像の「WHAT IMMIGRATION REQUIREMENTS APPLY? / 入国要件」を探し、右側の「＋」記号をクリックして、プルダウン項目を開きます。
すると、⇩の各国の項目で入国審査に必要なリストを確認できます。例えば、オーストラリアの入国審査にはパスポートとオーストラリアのビザ、そして、もしYellow fever の感染地域から入国する場合は予防接種が必要。などが確認できます。
まとめ
AMCのサイトによると、PCSのピーク期間（6月～8月）と休暇時期（11月～1月）を除く時期が、スペースAを利用するのに最適な期間だそうです。
旅行目的でスペースAを利用できると、民間の航空会社を使うよりもとってもお得なんですが、確実に乗れるとは限らないのが残念なところです。
わたし達は、PCSでスペースAを利用したことがありますが、旅行目的ではまだ乗れたことがありません。
１度計画した事がありますが、リストに載っている期間が短かったので乗れませんでした。（たぶん、それが理由） それ以来、ついつい、確実に乗れる民間機を利用してしまって、再度試したことがありません(;^_^A
もし、興味のある方はぜひトライしてみてくださいね！ではでは、Funday Miliday！
