これからUSミリタリーの家族として生活していくにあたり、何度か耳にする機会があるミリタリー用語がいくつかあります。
このCommand Sponsorship(コマンド・スポンサーシップ / 略称:CS)もその中の1つです。
コマンドスポンサーシップとは/Command Sponsorship
コマンドスポンサーシップとは、現役軍人(AD / アクティブデューティー)が海外赴任中に家族が全額の軍事手当を受けて同行するために必要な許可です。
Command Sponsorship(コマンドスポンサーシップ)は Accompanied Orders(同行オーダー)とも呼ばれています。
AD軍人がアメリカ本土以外のOCONUS(海外)転勤へ家族を連れて行くには、家族がDEERSに登録されていて、オーダー表に「コマンドスポンサー」と記載されている必要があります。このコマンドスポンサーの承認は自動的には行われないので、記載がない場合は、所属コマンドを通じてリクエストする必要があります。
DEERSへ登録されていること
Defense Enrollment Eligibility Reporting System / 略称:DEERS は、TRICAREの資格を持つ現役軍人、退役軍人、その家族のデータベースシステムです。軍人とその家族は、DEERS に登録されていなければいけません。
DEERSは、軍人(スポンサー)は自動登録されますが、その家族の登録はスポンサーのみが追加(または削除)できます。
Overseas Screeningを受ける
通常は、アメリカ本土(CONUS)から海外(OCONUS)への転勤の場合にオーバーシースクリーニングという検査を受けて問題がなければ承認されます。
Overseas Screeningとは、軍人とその家族が海外赴任で医療・歯科・教育を十分に受けられるかを審査するものです。
しかし、注意点が1つあります。下記でも記載されているように、それぞれの軍(Branch)で独自の基準があり、すべての人に適用できるかどうかは、その軍での判断によるようです。
One caveat: each branch of military service has its own criteria and standards for approving command sponsorship.(注意点が 1 つあります。軍の各部門には、コマンドの後援を承認するための独自の基準があります。)
What is Command Sponsorship for Overseas Tours?
家族メンバーによってはEFMPへの登録あり
特別な医療または教育の必要がある家族は、Exceptional Family Member Program(略称:EFMP)に登録する必要があるそうです。
アメリカ国外の海外や一部の地域では、適切な医療サービスや教育サービスへの利用アクセスが制限される可能性があるため、サポートが必要な家族がプログラムやサービスをみつけて利用できるように支援するためのプログラムです。
Army(陸軍)、Marine Corps(海兵隊)、Navy(海軍)、Air Force(空軍)、それぞれの軍のEFMPへの登録手順を説明している Quick Reference Guide という PDF ファイルがあります。(⇩はファイルの目次です。)
ファイル内では、EFMPについての検索ツールやファミリーサポートの連絡先情報、記入関連フォームにつても記載されています。
場合によっては、コマンドスポンサーシップが拒否されることもあるようです。
Command Sponsorship is Not Guaranteed
What is Command Sponsorship for Overseas Tours?
There are reasons why command sponsorship may be denied. Some of these may involve the inability to support a spouse or child with special needs medically.
コマンドスポンサーシップは保証されたものではありません。
コマンドスポンサーシップが拒否されるのには理由があります。その中には、特別な支援が必要な配偶者や子供を医学的に十分にサポートできない事があげられます。
もし、拒否された場合は単身での海外赴任になるか、家族でアメリカ本土内への移動になることもあるそうです。※単身での海外赴任地に家族が移動することを選択した場合は、その費用は家族負担で行われなければいけないそうです。
日本で結婚コマンドスポンサーシップを取得
私のように日本で結婚してコマンド・スポンサーシップを受けたい場合は、結婚後に申請する事ができますが、それには軍人の海外任務の期間が1年は残っている必要があります。そして、下記に記載があるようにスポンサーの所属軍での手続きに従う必要があるそうです。
If you get married before you move, you must inform your commander and follow the procedures exactly as you receive them. The military will not pay for your spouse’s travel and housing if you do not follow proper procedures.
Obtaining Command Sponsorship Begore an OCONUS Move
引っ越し前に結婚する場合は、コマンダーに通知・受け取った手順に正確に従わなければなりません。適切な手続きに従わない場合は、軍は配偶者の旅費や移住費を負担しません。
追記:結婚が成立した時点で、米軍人の日本での任期が1年残っていなくても、CSを取得(1年任期が延びた)方もいらっしゃいますし、CSを取得できなかった方もいて、個々のケースによってケースバイケースで変わるようです。もし日本での任期が1年残っていなくても、諦めずに申請してもらって下さい!
私の場合は、結婚した時点で、日本での任期が2年(延長したばかりだった)残っていたので、CSを取得して更に1年延び、日本での残りの任期が3年になりました。
コマンドスポンサーシップが許可されると
ホスト国へ留まる権利
PCSホスト国へ移住する許可がでます。アメリカ国籍者はNo-fee passport を申請する事ができます。
家族の旅費の保証
家族が海外赴任へ一緒についていく、又は本国アメリカへ戻るときの旅費が支給されます。
また、家族分の家庭用品の発送として、荷物の重量増加が許可されます。
医療サービス
海外にある基地で無料で医療(歯科含む)を受けられる資格が与えられます。治療によっては例外もあるようです。
住宅手当の増額
OHA(Overseas Housing Allowance / 家賃補助)が家族分追加されて支給される。
海外扶養手当の増額
・COLA(Overseas Cost of Living Allowances / 海外扶養手当)が家族分追加されて支給される。
海外基地内での雇用の許可
海外(アメリカ国外)の基地内での仕事に応募申請するには、コマンドスポンサーシップを取得している必要あり
だいたいこんな恩恵を受ける事ができます。わたしが日本で結婚後、コマンドスポンサーシップを申請した体験談は、結婚手続き in JP の記事でも触れているので、興味のある方はチェックしてみて下さいね。
ではでは、Funday-Miliday!!