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VAから承認が多かった障害トップ10 & 各障害のパーセンテージ

VAから承認されやすい障害トップ10

リタイア軍人に毎月支払われる給付金「Disability Compensation」は、Disability ratings / 障害等級(パーセンテージ)によって、支給額が変わってくるのはあなたも知っていると思います。

支給額が変わってくるなら、「この障害の等級は何%?」「承認されやすい障害ってあるの?」と疑問が沸いてきませんか?実は、VA(U.S. Department of Veterans Affairs (略称:VA / 退役軍人省))は、毎年、その年に承認が多かった障害の報告書を発表しています。

給付金「Disability Compensation」については【USミリタリーのリタイアメント】について書いた記事内で説明しているので、まだ読んだ事がない方は、併せて読むと理解しやすいと思います。まだの方は、あちらから先に読んで下さいね。

目次

Disability ratings / 障害等級(パーセンテージ)についておさらい

Disability ratings / 障害等級(パーセンテージ)の数値(0~100)は、現役時代に軍での勤務によって悪化した怪我や病気を、医師の報告書や検査結果などから、障害の大きさに基づいて決定されます。

複数の障害を持っている場合は、計算方式によって割り出された総合評価で決定されます。

VAに請求を承認してもらうためには、「生活に支障が出る(生活が制限される)障害が現在発生している」こと、その障害が現役中に起こった出来事で発症した事を証明する必要があります。

【メディカル・リタイアメント】の記事内でも書いていますが、旦那ミリオのお兄さんは、現役時代に負った怪我を継続して治療しなかった為に、治療の記録が無く、Disability に加算されなかった怪我があります。

リタイア後にパーセンテージを上げたい(VAに請求したい)と思っても、現役時代に治療記録のない怪我が承認されるのは難しいと思った方がいいかもしれません。

承認されたVAクレームのトップ10

下記のリストは毎年多少の変動があり、不動のものではないので、ご了承下さい。

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VAが承認した最も一般的なクレーム・トップ10
1.Tinnitus /耳鳴り
2.Hearing Loss/難聴
3.Limitation of Flexion, Knee/屈曲制限、(膝)
4.Post-Traumatic Stress Disorder (PTSD)/心的外傷後ストレス障害
5.Lumbosacral or Cervical Strain (Back Pain)/腰仙骨または頸椎の歪み(腰痛)
6.Scars, General/傷跡
7.Paralysis of the Sciatic Nerve/坐骨神経の麻痺
8.Limitation of Range of Motion of the Ankle/足首の可動域制限
9.Migraines (Headaches)/片頭痛(頭痛)
10.Limitation of Motion of the Arm/腕の動きの制限

参照元:Most Commonly Approved VA Claims / Veterans Help Group

【2022年度版】VAの報告書

VAは毎年、下記⇩画像のような【Veterans Benefits Administration Reports】という報告書を発表しています。

この報告書の中には、教育関係や家のローン情報などの項目もあり、200ページ以上にわたるPDFファイル形式の報告書です。

そして、今回の Disability(ディサビリティ)に関する報告は【Compensation】という項目の中に入っています。「Compensation」の項目を開くと下記⇩のようなPDFのページが開きます。

約50ページあるページの中には、下記⇩のように受給者の多い障害などについて記載されています。

上記⇧画像のパーセンテージ(%)は、障害等級のパーセンテージではないので注意して下さい。

この報告書の中には、障害別にDisability ratings / 障害等級(パーセンテージ)を表す表記はありません。というのも、同じ障害でも、個々の発症している症状によって、1人ひとりに割り当てられるパーセンテージが違うからです。

障害に対するDisability ratings / 障害等級(パーセンテージ)

自分のパートナーが持っている障害が、どれぐらいのパーセンテージがつくのか気になりますよね。

ディサビリティのRatingパーセンテージに関する、VAの正式なページは見つける事が出来ませんでしたが、民間企業のWebページに参考になるページを見つけたので、簡単にですが訳してみました。

1.Tinnitus /耳鳴り

一般に、耳鳴りとは、耳の中でブンブンやキーンという音が聞こえる事を指します。 多くの場合、難聴、耳の損傷、循環器系の障害などの基礎疾患の症状です。この耳鳴りに対する Rating評価 は0~10%です。

旦那ミリオも、この「Tinnitus /耳鳴り」の項目で10%の評価がついています。戦闘機を整備する部署など、フライトライン系に勤務していた方は、戦闘機の騒音などで耳に関する障害が出る可能性が高いそうです。

2.Hearing Loss/難聴

難聴は、伝音性難聴、感音性難聴、または混合性難聴の 3 つの主なタイプに分類されます。 難聴の一般的な原因には、内耳の損傷、耳の感染症、鼓膜の破れなどが含まれます。Rating評価 は0~100%です

・伝音性難聴(外耳または中耳で発生)とは、音振動の伝わりが障害されたもの
・感音性難聴(内耳、後迷路で発生)とは、音を感じる神経が障害されたもの
・混合性難聴とは、伝音性と感音性が混在したもの

検査方法は、人が一人、入れるぐらいの小さな無音室で、複数の音を聞く検査をします。すごく小さな音から始まり段々と大きな音になっていくそうで、音が聞こえた時点で持っているボタンを押すそうです。

3.Limitation of Flexion, Knee/屈曲制限、(膝)

膝の屈曲制限とは、膝を体に向かって動かしたり、内側に曲げたりするときの膝の可動範囲を指します。Rating評価 は0、10、20、30%です。

VA による膝の屈曲制限の評価方法は一般に、軍人が膝をその方向に動かしたときに生じる可動範囲に基づいて、この症状を筋骨格系の症状として評価します。 VA では、動作によって引き起こされる痛みではなく、可動範囲を度数で調べます。

4.Post-Traumatic Stress Disorder (PTSD)/心的外傷後ストレス障害

心的外傷後ストレス障害 (PTSD) は、悲惨な出来事、衝撃的な出来事、またはトラウマとなる出来事を経験したことによって生じる精神的健康状態です。PTSD の症状と重症度は人によって異なります。Rating評価 は0、30、50、70、100%です。

PTSD に対する軍務関係を確立するには、退役軍人は PTSD の原因と思われる軍務中のストレス要因を確認できる出来事を詳しく述べたレポートなどの証拠によって裏付けられなければなりません。

旦那ミリオのお兄さんは、イラク派遣後からPTSDを発症するようになり、軍とは関係のない仕事に就いている今でも、薬の服用と定期的にカウンセリングを受けています。

5.Lumbosacral or Cervical Strain (Back Pain)/腰仙骨または頸椎の歪み(腰痛)

退役軍人は、腰仙骨や頸椎の歪みなど、さまざまな腰の状態によって引き起こされる腰痛に悩まされることがよくあります。Rating評価 は0~100%です。

通常、角度計を使用して前方、後方、左右にどれだけ曲がることができるかを測定します。 VA は、検査官が提供する可動域の測定値に基づいて、退役軍人の腰の状態の重症度を判定します。

Back Rating

6.Scars, General/傷跡

軍務期間中に生じた傷跡、または手術が必要な兵役に関連した症状によって生じた傷に対して、ディサビリティ等級が割り当てられます。Rating評価 は0~80%です。

この障害項目は、診断コードに基づいて評価されます。傷跡は、軍人が負った傷跡や外観の損傷の数、影響を受けた体の部位、傷跡の永続性、痛みや不安定性の有無に基づいて評価されます。

頭、顔、または首の傷跡は、皮膚の損失と顔の特徴がどの程度損なわれているかに基づいて評価されます。 頭、顔、首以外の体の領域の傷跡の評価は、通常、傷跡のサイズに基づいて評価されます。

7.Paralysis of the Sciatic Nerve/坐骨神経の麻痺

坐骨神経痛は、坐骨神経の経路に沿って痛みが広がり、腰から脚まで伝わる神経疾患です。 坐骨神経が圧迫されたり挟まれたりすると発生します。Rating評価 は10、20、40、60、80%です。

医師により、評価表・神経学的状態および けいれん性障害に基づいて坐骨神経痛が評価されます。

8.Limitation of Range of Motion of the Ankle/足首の可動域制限

足首の動きの制限は、通常、足首の捻挫が十分に治癒しなかったか、完全にリハビリテーションが行われなかった後に発生します。 多くの退役軍人は、軍事訓練や軍務による身体的負担により、足首の負傷がおおいそうです。Rating評価 は10、20%です。

評価表、筋骨格系、診断コード 5271 に基づいて評価されます。

9.Migraines (Headaches)/片頭痛(頭痛)

片頭痛は、繰り返し起こる激しい頭痛で、 症状には、痛み、吐き気、嘔吐、光や音に対する過敏症、立ちくらみ、目のかすみなどが含まれます。Rating評価 は0、10、30、50%です。

片頭痛の重症度および頻度に応じて神経学的状態およびけいれん性障害、診断コード 8100を用いて評価されます。

10.Limitation of Motion of the Arm/腕の動きの制限

通常、腕の動きの制限は、腕または肩の損傷が完全に治癒していない場合、または適切にリハビリが行われていない場合に発生します。 また怪我を繰り返すと、肩や腕の不安定性がさらに増し、可動域が制限されることがあります。Rating評価 は20、30、40%です。

VAは、診断コード 5201 を使用して、軍人の利き腕と非利き腕のどちらが影響を受けているか、またそれがどの程度動きが制限されるかを考慮して評価します。

11.Sleep Apnea/睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に呼吸が繰り返し中断される、睡眠障害です。 主に下記の 3 つのタイプがあります。Rating評価 は0、30、50、100%です。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時無呼吸症候群の最も一般的な形態であり、睡眠中に喉の筋肉が断続的に弛緩して気道を塞ぐことで発生します。

中枢性睡眠時無呼吸症候群は、脳が呼吸を制御する筋肉に適切な信号を送らない場合に発生します。

複雑型(混合型)睡眠時無呼吸症候群は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群と中枢性睡眠時無呼吸症候群の両方を患っている場合に発生します。

軽度の睡眠時無呼吸症候群の場合は、医師から体重を減らす・禁煙するなどのライフスタイルの変更を提案されることがあります。

より深刻なケースでは、Continuous Positive Airway Pressure (CPAP) マシンと呼ばれる装置の使用を処方される場合があります。

この症候群を判断するには、睡眠時(1夜)に検査キットを心臓に近い位置の胸に貼り、呼吸を計測し、この睡眠検査の結果によって評価されます。

Sleep Apnea

旦那ミリオは、普段からイビキが大音量で、よく夜中に無呼吸でむせて咳き込んで目が覚めていました。(隣で寝ている私も起こされるというか、イビキしてないと時々「生きてるかな?」と心配で、息してるかチェックしていました。)この睡眠検査の結果、50%の評価がついています。

現在は、マシンを使用するようになり、夜中に無呼吸で起きるという事が殆どなくなりました。(このマシンは、VAの担当医とオンラインで通信されていて、使用時間や空気の送り込む量なども管理されています。)

もし、あなたのパートナーがイビキが酷いなと思ったら、1度この検査を受けてみる事をお勧めします。

12.Degenerative Arthritis of the Spine/脊椎変性関節炎

この関節炎は、通常、背中、腰、膝などの体重がかかる関節に発生し、関節間の軟骨が時間の経過とともに侵食され、関節の硬直、可動性の制限、および痛みが生じます。Rating評価 は10、20%です。

変性関節炎は、影響を受けた関節の可動域制限に基づいて評価されます。

13.Traumatic Brain Injury (TBI)/外傷性脳損傷

外傷性脳損傷(TBI)は、頭部への打撃や脳への物体の侵入など、さまざまな要因によって引き起こされ、脳の機能障害を引き起こす可能性があります。 一般的な原因には、自動車事故や戦闘での損傷などが含まれます。Rating評価 は0~100%です。

評価基準は 10 のサブカテゴリーに分割され、各領域の重症度と機能障害のレベルに基づいて状態を評価します。

外傷性脳損傷の症状には、短期記憶喪失、指示に従えない、頭痛、性格の変化などが含まれる場合があります。

14.Depression (Major Depressive Disorder)/うつ病

うつ病は、人の考え方や行動に影響を与える深刻な精神的健康状態です。 うつ病の症状には、悲しみ、無価値感、絶望感などが含まれる場合があります。Rating評価 は0、10、30、50、70、100%です。

VAは、うつ病を、精神的健康障害の一般評価式である 38 CFR § 4.130 に基づいて、社会的および職業的障害のレベルに応じて評価します。

15.Respiratory Conditions/呼吸器疾患

軍務中にバーンピット、枯葉剤、その他の空気中の危険物にさらされた軍人は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、呼吸器がんなどの呼吸器疾患を発症する確率が高いそうです。Rating評価 は0~100%です。

バーンピットとは、主に中東で、米軍が野外の広大なエリアで廃棄物を処理(燃やす)する事を言います。ゴミの分別なく金属や医療廃棄物なども全て一緒に、ジェット燃料をかけて燃やしていたそうです。

このピットの管理に割り当てられた軍人や、近くで長時間過ごした軍人などは、高レベルの大気汚染にさらされていた可能性があるそうです。

評価の範囲は、特定の状態と使用される診断コードによって異なります。たとえば、喘息は診断コード 6602 に基づいて 0 ~ 100 パーセントで評価されます。 アレルギー性鼻炎は、診断コード 6522 で 10 パーセント、 30 パーセントで評価されています。

16.Diabetes Mellitus Type 2/2 型糖尿病

2 型糖尿病は、インスリン抵抗性または欠乏により血糖値の上昇を引き起こす慢性疾患です。軍務期間中に2 型糖尿病が発生する最も一般的な原因の 1 つは、除草剤などの有毒物質にさらされた事によるものだそうです。Rating評価 は10、20、40、60、100%です

2 型糖尿病は、38 CFR § 4.119、診断コード 7913 に基づいて評価されます。

17.Cancer/癌

癌も、軍務期間中に発症する原因の1つとして、枯葉剤などの有毒物質にさらされた事による起因が大きいそうです。Rating評価 は0~100%です。

進行中の癌の場合は、VAは自動的に100%の等級を割り当てる必要があるそうです。この評価は、癌が活動している限り、継続され、治療プログラム (化学療法、放射線療法、手術など) が正常に完了した後もさらに 6 か月間継続されます。

治療後は、現在の状態を評価するためのスケジュールが組まれます。その評価に応じてディサビリティの評価が下されます。

参照元ページ

参照元:VA Disability Claims and Their Ratings

リタイアから半年が鍵!

米軍人がリタイア後にする事の1つに、住所管轄のVAベネフィットのオフィスに行って、どのような恩恵を受ける事が出来るかの説明を受ける&必要事項を登録する事があります。

各州によって、受けられる恩恵の内容(住宅の固定資産税が免除になったりなど)が違ってきます。ディサビリティのパーセンテージによっても内容が違ってくるので、必ず確認しましょう!

どんな恩恵が受けれるかなどの内容に興味があったので、私もついて行った時に、担当者さんが、

現役をリタイア後、半年以内であれば障害クレームが承認されやすい。

と教えてくれました。なぜかと言うと、今出ている障害の症状を現役時代に発症したと関連付けしやすいからだそうです。時間が経てばたつほど、リタイア後に発症したとして却下される可能性が高いそうです。

実際にクレームを出してみた

旦那ミリオがリタイアする時点で出されたディサビリティ・パーセンテージは90%でした。この数字は高い方なので、その時は特に異議申し立てもせずに受け入れました。

そして、上記の担当者さんと話した後に、現役時代に受けた腕や肩の手術による生活への不便性などで、数個クレームを出してみました。結果、100%まで上がりました。(承認されるまでは、医師による追加の検査等を受けました。)

もし、あなたのパートナーがリタイア時に出されたディサビリティ・パーセンテージに、評価されてない、または評価が低い項目があったら、出来るだけ半年以内にクレームを出してみて下さい。もしかしたら、パーセンテージが上がるかもしれません。

「100%プラス」のディサビリティ評価がある!

ちなみに、このパーセンテージ「100%」が最高だと思っていませんか?私は、ずっと100%が最高だと思っていたのですが、実は「100%プラス」という項目があるそうです。

旦那ミリオの職場の方が、この評価を持っているそうで「現役時代に起因する病気が原因で、ある臓器を切除した事」により、「100%プラス」になったそうです。

リタイア後5年以上たってから100%になった例

【追記】これも、旦那ミリオの職場の方の話です。彼は、現役時代に任務による怪我で背骨にボルトが入っています。リタイア後も継続してリハビリなど受けていたそうですが、やはり、年々歳と共にボルトが入っている部分に不調が出てきて、新しくボルトを入れ替える小手術を受けました。

リタイアから5年は経過していたそうですが、継続して治療を受けていたので、手術後にVAにクレームをいれ、ディサビリティ100%になりました。(リタイア時に提示されたパートナーは90%だったそうです。)

私もこの男性とは何度か会った事があります。普段は普通に歩けますが、体調が悪い時は杖を使わないと歩行が困難で、本当に辛そうです。

この方は2023年時点で、まだ50代前半なので、けっしてお爺ちゃんではありません。普段は仕事も遊びもパワフルにこなす、まだまだ現役のカッコイイおじ様です。

まとめ

いかがだったでしょうか?リタイア後もまだまだ分からない事も多い、元ミリタリー生活ですが、この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。

本日も素敵なミリ・リタイア生活をお過ごしください!Funday-Miliday!

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