パートナーの軍の事は知っているけれど、他にはいくつあって何をしているの?と疑問に思った事はありませんか?
私も初めは旦那ミリオの空軍の事しか知りませんでしたが、ミリの配偶者生活が長くなるにつれ、他の軍種の配偶者(Spouse/スパウス)の方たちと話すうちに、だんだんと知識がついてきました。
あなたも縁あってアメリカ軍人のパートナーと知り合ったんです。アメリカ軍の事を知る良い機会なので、一緒に少しかじっておきましょう!
覚えておく必要はぜんぜんありません。アメリカ軍って、こんなんなんだ。って知っておくだけでいいと思います。
ここでは、知っておいて損はないアメリカ軍の基本的なことを説明しようと思います。※私なりに調べたことも付け足しておきますね。
ミリタリー用語は略語が多くて、頭パンクしそうだよ。
大丈夫!だんだん慣れてくるよ!
米軍の種類はいくつある?
まず、アメリカ合衆国が保有する軍隊をUnited States Armed Forcesといい、軍種の事をBranch(ブランチ)と言います。それぞれのブランチは、
United States Army(陸軍 / アーミー)
United States Navy(海軍 / ネイビー)
United States Marine Corps(海兵隊 / マリーンコープ または マリーン)
United States Air Force(空軍 / エアフォース)
United States Space Force(宇宙軍 / スペースフォース)
以上の5軍が常勤する常備軍としてあり、戦争や事変の無い平常時は海上警備を主とした法執行機関としての役割もある
United States Coast Guard(沿岸警備隊 / コーストガード)
を含めた6つの軍種があります。
国土安全保障省に属するCoast Guard(沿岸警備隊)を除く5軍は国防総省の管轄下に属し、アメリカ合衆国大統領の指揮統制下にあります。
※国土安全保障省(United States Department of Homeland Security / 略称:DHS )
※国防総省(United States Department of Defense / 略称:DoD 又はペンタゴン)
それぞれの軍は部隊の編制・維持・訓練が中心となっていて、世界各国にあるアメリカの各統合軍に部隊を派遣する責任を負っています。
陸軍(Army)は陸軍省(Department of the Army)が、
海軍(Navy)&海兵隊(Marine)は海軍省(Department of the Navy /略称: DoN)が、
空軍(Air Force)&宇宙軍(Space Force)は空軍省(Department of the Air Force / 略称:DAF)がそれぞれ管理しています。
※海軍と海兵隊の間 / 空軍と宇宙軍の間に上下関係はありません。戦争などが起こった場合、沿岸警備隊(Coast Guard)も海軍省の管轄となり、海軍に準じた扱いになります。
米軍・各軍隊の特徴
United States Army(陸軍 / U.S. Army)
アメリカ陸軍は、1775年6月14日にアメリカ独立戦争を戦うために大陸会議の決議によって結成された大陸軍にルーツがあります。
大陸会議は独立戦争後、議決によって1784年6月3日にアメリカ陸軍が結成されました。
Armyの責務は、地上で戦闘任務を遂行することです。
陸軍は下記の3兵種から構成されていています。
・常備軍(現役兵 / アクティブ デューティ/ 略称:AD)
・予備軍(予備兵 / Army Reserve)※Army Reserveは、フルタイムで兵士になる必要がなくても参加できるパートタイムのプログラムです。一般社会で生活している軍隊在籍者が、必要な場合には軍隊に戻ります。米国内に駐屯地がある場所ならどこでも勤務するよう召集されます。
・州兵(National Guard / ナショナルガード)※陸軍予備役と同様、陸軍州兵も入隊者がパートタイムで勤務することを目的としています。米国に駐屯地がある場所ならどこでも勤務するよう召集される予備役とは異なり、陸軍州兵の隊員は、緊急時には州知事に報告し主に州内で奉仕します。
Army Reserveと州兵(National Guard / ナショナルガード)も、現役兵が受けるのと同じ基礎訓練を受けます。そして、基本的に「月に 1 回の週末と、1 年に 2 週間のフルタイム勤務」に参加します。
特殊部隊にGreen Berets があります。
United States Navy(海軍 / 略称:USN)
アメリカ海軍は、アメリカ独立戦争中に設立された大陸海軍を起源としています。(1775年10月13日)
Navyの責務は、水路を保護し、海上では航空機の滑走路を提供します。
アメリカ海軍は、原子力空母や戦闘機などの保有量数、現役・予備兵合わせて約43万人の構成員が所属する世界最大規模の海軍です。
Navyには Navy Reserve の予備軍があり、特殊部隊に Navy SEALS があります。
United States Marine Corps(海兵隊 / 略称:USMC)
アメリカ海兵隊は、アメリカ独立戦争中に設立された大陸海兵隊を起源としています。(1775年11月10日)
Marine Corpsの責務は、陸、海、空の戦闘と作戦において他の部門をサポートすることです。
志願者は海兵隊ブートキャンプという志願者訓練所に入所して、他軍の中で最も長い約13週間の過酷な訓練を受けます。ついてこられない者は容赦なく落とされ、訓練を終了した者のみが「Marine」と名乗ることを許されます。 海兵隊除隊後に他の軍に入隊しても再度訓練を受ける必要はありませんが、他軍を除隊して海兵隊に入隊する者は、それまでの功績を問わず海兵隊の訓練を受けなければいけないそうです。
「Once a Marine, Always a Marine(一度マリーンになったものは、ずっとマリーン)」の言葉があるぐらいなので、除隊後も「元海兵隊員」ではなく「海兵隊員」と呼ばれ続けますが、不名誉除隊となった場合は「海兵隊員」はおろか「元海兵隊員」と名乗ることすら禁止されるそうです。
Marine Corps には Marine Corps Reserve の予備軍があり、
特殊部隊に Marine Corps Special Operation Command があります。
United States Air Force(空軍 / 略称:USAF)
アメリカ空軍の起源は1907年にアメリカ陸軍に航空機部門が設立され、1947年9月18日に国家安全保障法の策定により陸軍より独立しました。
Air Force の責務は、空中で軍事作戦を実行することです。
空軍は戦闘機・爆撃機・輸送機・大陸間弾道ミサイルなどを所有していて、制空・航空攻撃・物資輸送・核抑止能力保持が任務の中心ですが、軍事衛星打ち上げや運用においても中心的な役割を果たしています。
大統領が搭乗していない時や、大統領の任期が飛行中に終了した時は、その機体が大統領専用機であっても、このコールサインは使われません。
正確には、大統領専用機のほか、戦闘機や軍用輸送機を問わず、アメリカ空軍の航空機に大統領が搭乗すれば その搭乗機のコールサインに「エアフォースワン」を使用する規則になっています。
空軍以外に所属する航空機に大統領が搭乗した場合は、所属組織の名前に「One / ワン」を付けたコールサインが使用されます。(例:海兵隊の「Marine One / マリーンワン)
Air Force には、Air Force Reserve の予備軍と Air National Guard の州兵があります。
特殊部隊は、Special Warfare です。
United States Space Force(宇宙軍 / 略称:USSF)
アメリカ宇宙軍は2019年12月20日に宇宙軍法の成立によって、アメリカ合衆国宇宙軍が創設されました。
Space Force の責務は、世界規模の宇宙作戦を遂行するためのメンバーを組織、訓練、装備するです。
宇宙軍の設立により、一部の空軍基地は宇宙軍基地に改称されました。
宇宙軍には行政関係としてのアメリカ宇宙軍(United States Space Force / 略称:USSF)と作戦関係としてのアメリカ宇宙コマンド(United States Space Command / 略称:USSPACECOM)の2つが存在します。
2020年度に初期の本部人員は約200名で構成され、2021~22年度に他軍種からの移行による主要部隊の編制が行われました。その後は宇宙軍独自での新たな組織編制を行い、教育関連・訓練能力の向上が期待されています。
2019年12月20日に、元ドナルド・トランプ大統領が宇宙軍を設立する法案に署名したとしてニュースでやっていたので、アメリカでは記憶に残っている人も多いんじゃないでしょうか。
新しくできたばかりなので、Reserve や Special Forces などは まだ確認できていません。(2023年時点)
United States Coast Guard(沿岸警備隊 / 略称:USCG)
アメリカ合衆国沿岸警備隊のルーツは1789年7月31日、財務省傘下に税関監視艇部が設置されたのに始まります。
アメリカ軍の一部ではありますが、国防省ではなく、国土安全保障省に属し平常時は海上保安の警備にあたっていますが、戦争など、大統領の命令がある場合は海軍の一部となり、従軍します。
アメリカでは、陸軍・海軍・空軍・宇宙軍・海兵隊にはPosse Comitatus Actという法 による許可なき法執行活動の禁止等の規制が課せられていますが、沿岸警備隊は、この規制対象とはなっていません。
文民法執行機関との軍事協力法(Military Cooperation with Civilian Law Enforcement Agencies Act)等により、法の許可が与えられて、沿岸警備隊に軍が支援を行う場合もあります。
Coast Guard の責務は、海上で法律を執行し、水路を確保し、捜索救助任務を指揮するです。
Coast Guard には、Coast Guard Reserve の予備軍があり、特殊部隊は、Maritime Security Response Team とMaritime Safety and Security Team があります。
参照元:US Military Branches Explained
米軍基地の呼び方
そして、同じ基地を意味する言葉もそれぞれの軍で表現の仕方が違います。
所属軍 | 基地を意味する言葉 |
Army | ステーション or ポスト |
Navy | |
Marine Corps | キャンプ |
Air Force | ベース |
Space Force |
アメリカ軍は国外に約800ある軍事基地を含む、世界で最も強力で高度な技術力を持つ軍隊と見なされているそうです。
米軍への入隊について
アメリカ軍に志願できるのは 高等学校卒業程度の学力と基準以上の身体能力がある18歳以上の男女で、市民権または永住権(グリーンカード)があることが条件だそうで、永住権があれば市民権は無くてもいいそうです。※英語の読み書き、話すが流暢にできる事が条件。
市民権がない者が志願して入隊すると、忠誠を誓ったとみなされ市民権の申請が可能になるそうです。
注意!申請受理されるだけで、認められるかは別だそうです。通常の永住権保持者はアメリカでの移住期間が5年(米国市民と結婚した場合は3年)を経過していれば市民権申請の開始が可能。
入隊できる年齢の上限はそれぞれ、
Army /陸軍が35歳、Navy /海軍が39歳、Marines / 海兵隊が28歳、Air Force / 空軍が42歳、
Space Force / 宇宙軍が39歳、Coast Guard/沿岸警備隊が31歳、
追記:空軍が39歳から42歳に引き上げになったようです。
いくつかの例外がありますが、どのブランチもオフィサーはだいたい35歳です。
そして、実は私の知り合いの日本人も1人、アメリカ軍に入隊した人がいます。
プライバシー保護もあるので詳しくは書きませんが、彼女は入隊後に市民権も取得したようです。知り合った当初から、彼女の行動力と頭脳明晰には憧れていましたが、アメリカ軍に入隊すると聞いた時はビックリしましたよ~。
ほんと!彼女の行動力が欲しいわ!!
旦那ミリオの家族は軍人家系で、親族で集まった時などは軍の話がてんこ盛りで、私がミリ妻になりたての頃は何の話をしているのかチンプンカンプンでした(;^_^A
そして、アメリカでは外出先などいたるところで、現役・退役関係なく軍人だとわかると
「Thank you for your service / 兵役ご苦労さまです」と言って敬意を表してくれる人たちが沢山います。
※ときどき軍人嫌いな人もいますが。。。
この写真のように、お店によっては軍人専用の駐車スペースもあります。
いかがでしたか?
上記の「軍について」は さわり程度なので、実際はもっと奥が深いですが、最初はこれぐらい知っていれば十分だと思います。
アメリカ軍の事をまったく知らなくても問題はありません。でも少しでも知っておくと軍人パートナーとの関係、軍への理解力も変わってくると思いますよ。
あなたもミリタリーの配偶者生活を満喫してくださいね!
ではでは、素敵なミリライフを~。Funday-Miliday!