今回は、わたしが日本の米軍基地からITIN(個人納税者番号)を申請&取得した時のお話です。(基地内の郵便局を利用しました。)
わたしはタックスリターン申請目的でITINを取得しましたが、もしあなたが日本で結婚後、すぐに渡米しない場合でも出来るだけこのITIN番号は取得する事をおすすめします。
なぜなら、この番号があれば、あなたも自分で「日本にある基地内のアメリカの銀行口座」を開くこともできるし、あなたのパートナーの銀行口座へジョイントメンバーとして加入する事も出来るからです。
ITIN(個人納税者番号)って何?
ITIN(アイ・テー・アイ・エヌ) の正式名称は Individual Taxpayer Identification Number と言います。ITINは、アメリカ側の税金を納める時(タックスリターン)に使用される番号です。
アメリカでは、日本のように雇用主が税金の申告(年末調整)をしてくれるという事はありません。みな個人で税金の申告をします。税理士を雇う人、オンラインで自分で申告する人など様々です。
ちなみに、アメリカの税金申告期間は、だいたい1月中頃から始まり4月中頃までで、前年度(1月1日~12月末日)分を申告します。
このITIN番号は、主に納税の時に使用されるもので、アメリカ国内での滞在資格や就労許可の資格はありません。
ITINは、日本からアメリカのIRS(Internal Revenue Service / 国税庁)に申請・取得する事が可能です。
ITIN と SSN の違い
わたし達、米軍人と結婚した人にとってのITIN番号とSSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)の大きな違いは、アメリカの永住資格(グリーンカード)を持っているかどうかです。
アメリカの永住資格(グリーンカード)保持者であれば、納税の時にSSNを使用しますが、結婚後にまだ渡米した事がない(グリーンカードを持っていない)人はSSNが発行されません。そのSSNの代わりを果たすのがITINです。
SSNはアメリカの移民ビザ申請と同時に申請する事ができ、渡米してからアメリカの住所へ郵送されます。
ITINが使用される場面
〇Tax Return の申請
〇銀行口座開設
SSN が使用される場面
〇Tax Return の申請
〇銀行口座開設およびローンの申込み
〇運転免許証の申請
〇車の購入
〇住居の賃貸契約または購入など、他にも多数の場面で使用されます。
ITINでアメリカの銀行口座開設
ITINがあれば、SSNが無くても(在日の米軍基地内でも)アメリカの銀行口座を開設する事が出来ます。
日本からITINの申請
申請に必要だったもの
申請用紙 Form W-7
日本のパスポートのコピー(要公証)
軍人パートナーのミリタリーIDカードのコピー
申請用紙の入手
当時の私は、オンラインで申請書を入手できると知らなかったので、「基地内のリーガルオフィス」で申請に必要な申請書W-7をもらってきましたが、オンラインでも取得可能です。
W-7フォームは、在日米国大使館と領事館のWebサイトからも取得可能ですが、念のために下記⇩の画像のように最新のフォームをIRSのWebサイトから取得して使用する方がいいと思います。
W-7の記入方法
IRSの「W-7申請書の説明書」ページから大事だと思う注意事項を下⇩に抜粋してみました。
【Enter “N/A” (not applicable) on all sections of each line that don’t apply to you. Don’t leave any section blank.】 各行の該当しないセクションすべてに「N/A」(該当なし)と入力します。
【Spouses of U.S. military personnel can submit original documents, certified copies, or notarized copies of identification documents. 】米軍人の配偶者が提出できる書類は、原本書類、公証された身分証明書のコピー書類。
Instructions for Form W-7 / IRS
【A copy of the servicemember’s U.S. military ID will be required or the applicant must be applying from an overseas APO/FPO address. A copy of the servicemember’s U.S. military ID is required to be included with the application if the documents are notarized.】 公証された身分証明書のコピーを利用する場合は、海外からのAPO/FPO の住所からの申請である必要があります。 申請書と一緒にミリタリーIDカードを添付する必要があります。(※公証された身分証明書とは、公証されたパスポートのコピーのことです。)
【If you’re applying for an ITIN under this category, you must provide the full name and SSN or ITIN of the U.S. citizen / resident alien. Enter the information on the dotted line in the space provided 】このカテゴリで ITIN を申請する場合は、次のことを行う必要があります。米国国民のフルネームと SSN または ITIN を点線部分に情報を入力します。(下記⇩画像「e. Spouse of U.S. citizen/resident alien」の項目の事です)
わたしがIRSへ送付した原本は個人情報もあり載せれないので、書類の記入方法の例⇩を作ってみました。もしよかったら参考にして下さい。
フォームの「2.Mailing Address」の欄には基地内郵便局のAPO / FPOのアドレスを記入。この住所にIRSからの返信が届きます。
フォームの「3.Foreign(non-U.S.) Address」の欄には、当時オンベースに住んでいたので、基地内のアドレスを記入しました。この欄にはAPO / FPOのアドレスは記入できないので、お住いの基地内または基地外の住所を記入して下さい。
フォームの下の方に、名前(サイン)と日付、電話番号を書く欄があるのですが、わたしは電話番号の所に日本の国番号を表す「81」を記入した後、当時持っていた携帯の「最初の0を除いた番号」を記入しました。
例)もしあなたの携帯が 090-1234-1212 だったとします。記入欄には「+81-90-1234-1212」と記入します。この方法で海外からも日本に電話を掛ける事が出来ます。
IRS提出用のパスポートのコピー
IRSのWebサイトには、身分証明書(パスポート)の原本またはコピーと記載がありますが、海外の郵便事情は信用できないな~と不安があったので、パスポートのコピーを送りました。
パスポートのコピーを提出する場合は、公証されている必要があるので、沖縄の在日米国領事館でしていただきました。下記⇩画像のように領事館のWebサイトページにもパスポート認証の案内があります。
領事館で公証してもらうには、事前予約が必要です。当日はパスポートの原本も忘れずに持参しましょう。料金はドル支払いで、当時だいたい30~40ドルぐらいだったと記憶しています。(料金を記録に残してなかったので正確な金額じゃなくてすみません。)現在は金額が違うかもしれないので、前もって要確認お願いします。
IRSへ書類を送付
書類を全部揃えたら、基地内の郵便局から送付しました。送り先の住所も、下記⇩画像のようにIRSの「フォーム記入の説明書」に記載があります。
Internal Revenue Service
ITIN Operation
P.O. Box 149342
Austin, TX 78714-9342
W-7フォームの説明書の中に「You don’t need to provide a return envelope.(返信用封筒は用意する必要はありません。)」と記載があるので、わたしは返信用封筒は同封しませんでした。
ITINナンバーが届く
IRSへ書類を送付してから3ヶ月ちょっとでITIN番号が記載されたレターが届きました。
米軍人妻の確定申告
ここからは余談ですが、当時のわたしは、結婚前から派遣社員としてフルタイムで働いていました。日本で会社員として働いていれば、通常、年末調整が行われて源泉徴収票が会社から出されると思います。
このページの冒頭でもお伝えしたように、日本では雇用主が税金の申告をしてくれます。
当時、ちょうど源泉徴収票が出される時期に、派遣会社の総務のお姉さんから「ミリ美さんの旦那さんは軍人さんですか?」との確認の電話がありました。結婚後に苗字が変わった事を伝えていたので、その確認かなと思ったら、「日米地位協定で決まっていて、軍人さんと結婚している人の税金申告は会社側ではできないので、個人で確定申告してくださいね。」との事でした。
お姉さんの話では、「小さな企業では、この事を知らない所もあるかもしれないので、今後、他で働く機会があったら気を付けてね。」とも教えてくれました。
その後、確定申告するためにお役所に行ったら、「日米地位協定で決まっていて、還付金の返金は出来ないのでアメリカ側に収入の申告をして、返金してもらって下さい。」と言われ(泣)(その年の源泉徴収での還付金は2万円ほどが返ってくる予定でした。)
そこで、アメリカ側に税金申告するためにITIN番号を取得して、旦那の税金申請と一緒に申請したんですが、当時いくらかアメリカ側から返金があった金額の中に、あの2万ほどの金額が入っていたのかは、アメリカの税金システム&計算方法が難しすぎて、当時の私にはよく分かりませんでした。
IRSのWebサイトの中には、下記⇩画像のような日本語のページもあります。米軍人と結婚していて、日本で働いている人は、一度目を通しておいた方がいいかもしれません。
まとめ
今回の記事はいかがだったでしょうか?ITINの取得方法についてお手伝いできたなら嬉しいです。
税金に関する事は、どこの国に居ても複雑で難しいですよね。特に、2ヶ国をまたぐとなると頭が痛くなります。税金の申請では、当時のお役所の方も優しく教えてくれましたし、基地内でも米軍人と家族のためのTax Return の書類作成、申請を手助けするオフィスが設置されているので、不明点があれば利用した方がいいと思いますよ。
ではでは、素敵なミリライフをお過ごしください。Funday-Miliday!